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A-4:スパイスのはたらきを科学する

3:スパイスの‘辛味’を探る(その2)

その2 スパイスの辛味やその程度は熱や粒度で変わる!?[実験・体験(4)][実験・体験(5)]
辛さを抑える工夫
辛さは数値化できる?
参考図書や関連ウェブサイト
その1 辛味とは? 辛味を感じる人間の体の仕組み|
スパイスの辛味のもとは何? 辛味の感じ方の違いやポイント[実験・体験(3)]|
その1


スパイスの辛味やその程度は熱や粒度で変わる!?[実験・体験(4)][実験・体験(5)]

前項では、スパイスの辛味のもとは辛味成分であり、含まれる辛味成分が違うために辛味の感じ方が違い、そこにそれぞれのポイントがあることが解りました。<辛味の感じ方の違いについて><ポイント>としてまとめています。
スパイスの辛味のもとは何?辛味の感じ方の違いやポイント[実験・体験(3)]

ここでは、まず、<ポイント>としてまとめた項目の中から、
ホット系:熱に強い/シャープ系:熱に弱い、煮込み料理には不向き
について、考察してみましょう。
熱に強い=そのスパイスに含まれる辛味成分が熱に強いということです。スパイスの辛味(辛味成分)と熱との関係について、見ていきましょう。
実験・体験(4)熱に対するスパイスの辛味とその程度の比較
シャープ系のワサビ編 vs ホット系のレッドペパー(唐辛子)編
手順
  1. 肉とすりおろしたワサビを用意し、オーブントースター(あるいはフライパン)と油を少々用意する。
  2. 肉を焼き、焼いた肉にワサビをつけて食べてみる。
  3. 一方、肉にワサビを塗って焼いたものを食べてみる。(肉に塗るワサビの量は2.と同じにする)
  4. 児童・生徒から、2.と3.のワサビの辛味がどう違ったか、どちらの肉が辛かったか、などの感想を聞く。
  5. さらにレッドペパー(唐辛子)を用意し、同じ要領で食べ比べてみる。
  6. 児童・生徒から、レッドペパー(唐辛子)の辛味がどう違ったか、どちらの肉が辛かったか、などの感想を聞く。
  7. ワサビとレッドペパー(唐辛子)の場合の辛味やその程度について、それぞれ比較してみる。

シャープ系の代表ワサビにおいては、2.では本来のワサビの辛味を感じることができますが、3.のように加熱する(焼く)ことによりワサビの辛味成分が失われてしまい、肉は辛さを感じません。ワサビの辛味成分はアリル・イソチオシアネート。熱に弱く、加熱によって辛味成分が失われてしまいます。
このように、シャープ系のスパイスの辛味成分は熱に弱いため、加熱や煮込む料理には不向きといえます。

ホット系の代表レッドペパー(唐辛子)においては、加熱をしても、その辛味成分は失われず、肉も辛さを保っています。レッドペパー(唐辛子)の辛味成分はカプサイシン。
このように、ホット系のスパイスの辛味成分は熱に強いため、加熱したり、煮込んだり、熱いものに加えたりする料理に向いています。
※辛味成分の種類⇒スパイスの辛味のもとは何?辛味の感じ方の違いやポイント[実験・体験(3)]

もう1点、考察してみましょう。今度は、スパイスの辛味と粒度との関係についてです。

実験・体験(5)粒度によるスパイスの辛味とその程度の比較
あら挽きレッドペパー vs レッドペパー(パウダー/粉状)
手順
  1. あら挽きのレッドペパー(市販のものならば一味唐辛子)とパウダー状のレッドペパーを用意する。うどんつゆ(粉末状のものをお湯で溶かす)を用意する。
  2. 両方を計量し、同じ分量をうどんつゆに混ぜて食べ比べてみる。
  3. 児童・生徒から、それぞれの辛味がどう違ったか、どちらが辛かったか、などの感想を聞く。
食べ比べによって、あら挽きのレッドペパーよりもパウダー状のレッドペパーの方が、より辛味とその程度が強いことが体感できます。粒度の細かいものの方がより辛味を感じやすいといえます。それは粒度が細かいため、辛味成分を感じやすいからです。スパイスの辛さを効かせたい料理には粒度の細かいものを使うと良いでしょう。


辛さを抑える工夫

辛味とその程度について考察を深めてきましたが、では、食事の時、料理の辛さを抑えるにはどうしたら良いでしょう?カレーライスを食べた時、その辛さを抑えるのに、果たして水で良いでしょうか?

スパイスの辛味のもとは何?辛味の感じ方の違いやポイント[実験・体験(3)]
でも触れましたが、シャープ系のスパイスは揮発性のため、辛味感は続かず、水で流し込むと辛味を感じなくなるので、例えば、ワサビやマスタードなどを使った料理の辛さはお茶や水で抑えることができます。

一方、ホット系のスパイスは…
レッドペパー(唐辛子)やペパーなどを使った料理の辛さは、水よりもヨーグルトや牛乳、アイスクリーム、ピーナッツクリーム、マヨネーズといった食品で抑えるのが効果的。油でコーティングされて辛味がおさまります。
カレーパウダー(粉)にブレンドされている辛味づけのおもなスパイスは、レッドペパー(唐辛子)やブラックペパー、ホワイトペパーなど、おもにホット系のスパイス。となると、カレーライスを食べる時は、ヨーグルトや牛乳と一緒の方が良いでしょう。栄養バランスもなかなか良いといえます。

参考データや詳細解説
▼A-2:カレーから考える毎日の食生活
「4:カレーと栄養(その1)」カレールウは何からできている?
 〜カレーに使われるスパイス

▼A-2:カレーから考える毎日の食生活
「4:カレーと栄養(その2)」カレーライスの栄養バランス〜より栄養バランスのよい食べ方


辛さは数値化できる?

さて、このスパイスの‘辛味’という力を探った章の最後に、‘辛さは数値化できるか?’を考えてみたいと思います。

現在は、スパイスの辛味成分が特定され、カプサイシンやピペリンなどの成分量が計測できます。つまり、辛さを数値化することができます。
成分量が計測できなかった時代は、スコヴィル値という値(官能で評価した時の辛味の指標、被験者が辛味を感じられなくなるまで砂糖水で希釈した時の倍率)で、官能により辛味を評価していました。
しかし、長年にわたってスコヴィル値が一般的に用いられてきているため、現在もカプサイシンの成分量を逆に官能値であるスコヴィル値に変換し直して表記されることもあります。

カレーの辛味とその程度について
先ほども紹介しましたが、カレーパウダー(粉)にブレンドされている辛味づけのおもなスパイスは、レッドペパー(唐辛子)やブラックペパー、ホワイトペパー、ジンジャーなど。カレーの辛味を演出しています。近年は「辛口」のカレールウを好む傾向が出てきています。

カレーにおける辛味やその程度は、スパイスのブレンドの方法や成分量の他に、粘度や油脂含量も関係しています。
●粘度(粘性)が高い程→辛味とその程度は弱く、辛味を感じるまでの時間が長い。
●粘度(粘性)が低い程→辛味とその程度は強く、比較的早く辛味を感じる。
例えば、タイのカレー。粘性が弱く汁っぽさがありますが、辛味とその程度は日本の粘性の強いカレーに比べてストレートに強く感じます。

※ハウス食品でもカレールウやレトルトカレーに辛味の番号(辛味順位)をつけています。加えているレッドペパー(唐辛子)やペパーの量、食べて感じる辛さなどをもとに番号付けをしています。

パッケージ写真
<カレールウ箱表面/辛味順位>
辛味順位表
<カレールウ箱側面/辛味順位表>
参考データや詳細解説
▼カレーハウス〜カレーこんな話あんな話[ハウス食品ホームページ]


参考図書や関連ウェブサイト

参考図書 ※「3:スパイスの‘辛味’を探る」を作成するにあたって参考
 『スパイスのサイエンス−スパイスを科学で使いこなす!』
  <著者:武政 三男  文園社  1,575円(税込)>
 『小学館の図鑑NEO 人間/いのちの歴史』
  <(株)小学館  定価2,100円(税込)>
 『スパイスブック−香辛料を、もっと気軽に暮らしの中に』
  <企画編集:ハウス食品(株)ヒーブ室・コスモ21>   

関連サイト
 『スパイスオブライフ』 [ハウス食品ホームページ]
 http://www.h-spice.jp/

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その2 スパイスの辛味やその程度は熱や粒度で変わる!?[実験・体験(4)][実験・体験(5)]
辛さを抑える工夫辛さは数値化できる?
参考図書や関連ウェブサイト
その1 辛味とは? 辛味を感じる人間の体の仕組み|
スパイスの辛味のもとは何? 辛味の感じ方の違いやポイント[実験・体験(3)]



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