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A-4:スパイスのはたらきを科学する

2:スパイスの‘香り’を探る(その1)

その1 香りとは? 香りを感じる人間の体の仕組み[実験・体験(1)]
スパイスの香りのもとは何? どこにある?[実験・体験(2)]<香り成分のある所(葉の裏)写真>

その2 香り成分の特徴や熱に対する変化について知ろう。<香気成分のチャート>|
参考図書や関連ウェブサイト その2

スパイスは植物であり、植物のさまざまな部位を活用しています。
スパイスには、香りづけ・臭み消し、辛味づけ、色づけ、食欲増進や消化吸収の補助、防腐、抗菌、酸化防止などの働きや効用があります。
「1:スパイスの分類・観察」スパイスの分類

ここからは、重要な3つの働きについて、実験・体験を交えながら、詳しく考察していきましょう。「スパイスが持つ力=スパイスの働きとそのメカニズム」を探るスタートです。

まずは1つ目は<香りづけ>について。
スパイスが料理や食品に香りをつける時、その香りのもとは何なのか、それはどこにあるのか、香りのもとはどのような特徴を持っているのか、などを考えてみましょう。スパイスが持つ‘香り’という力が見えてきます。



香りとは? 香りを感じる人間の体の仕組み[実験・体験(1)]

 

 

香りを感じる感覚=嗅覚(きゅうかく)は、鼻を使います。鼻でにおいを嗅ぐと言いますが、実は人間の場合、におい物質(においの神経である嗅神経を刺激するもの)の情報を鼻くうの天井にある嗅上皮(きゅうじょうひ)で受け取り、嗅球へ送られ、嗅策を通って大脳(嗅覚野)へ伝わり、においとして感じています。

嗅覚は、大昔の動物からもっていた感覚。これは、生きていくために危険な食べ物を嗅ぎ分ける必要があったからです。また、サケのように生まれた川に戻るための記憶(水に溶けているにおい物質を記憶)に関わったりもするからです。

いろいろな香りがありますが、好き嫌いは生活文化や育ってきた環境などの違いで、人それぞれ。国が違えば感じ方も違いますし、香水やお香でさえも好き嫌いはみんな違います。ただ、腐ったものは独特なにおいを出しますので、動物も人間も普通これを‘嫌なにおい’と感じて食べることを止めます。
実験・体験(1)目隠し&鼻をつまんで、カレーとシチューの食べ比べ
手順
  1. カレーとクリームシチューを用意する。
  2. 布などで目隠しをし、鼻をつまんで、用意したカレーとクリームシチューを食べ比べてみる。
  3. どちらがカレーで、どちらがクリームシチューか、答えを聞く。
  4. 児童・生徒から、目隠しをして鼻をつまんでカレーとクリームシチューを食べ比べてみて、何がどのように違ったか、どんな風に感じたか、などの感想を聞く。
カレーかシチューかの違いを感じるのは、嗅覚、触覚、視覚、聴覚、味覚といった五感の内、味覚の部分と思いがちですが、でも、実験・体験(1)の結果から、目隠しをして、鼻をつまんで食べてみると、二つを区別することが難しいと解ります。ということは、料理の色(視覚)や香り(嗅覚)も食べ物の違いを感じるための重要な要素であることが理解できます。

誰にでも経験があると思いますが、風邪を引いた時、料理の味がよくわからない…と言いますよね。それは、香りがわからない、つまり風邪によって嗅覚が衰えているからです。
ピーマンは嫌い!という子どもたちに、ピーマンの香りがしない、ピーマンが見えない料理を出せば、知らずに食べているということもありますよね。にんじん、然り。

味覚と視覚と嗅覚がうまくマッチングして、食べ物の違いを知り、おいしいかおいしくないか、好きか嫌いかを判断しているのです。



スパイスの香りのもとは何? どこにある?[実験・体験(2)]<香り成分のある所(葉の裏)写真>

では、スパイスの香りの話に入りましょう。
スパイスが醸しだす香り、これは一体何によるものでしょう?香りのもとは何なのでしょうか?

スパイスが植物であることはすでに学びました。
「1:スパイスの分類・観察」スパイスは植物
植物はさまざまな成分を持っています。

さて、その香り成分がどこにあるかと言いますと、「香り成分のおもな特徴」の中でも紹介しましたが、植物によって香りのもとである香り成分が多く含まれる部位はさまざまです。植物の実、種、花やつぼみ、葉や茎、樹皮、根茎など。この中から、求める香りを最も多く含む部位をスパイスとして使用します。そして、料理や食品に香りをつける<香りづけ>という大切な働きを担うのです。
「1:スパイスの分類・観察」スパイスの分類〜a-使用する部位での分類
実験・体験(2)ミントの葉の香りの違い そのまま、こする、すりつぶす(揉みほぐす)
手順
  1. ミント(ミント類)の生の葉を用意する。
  2. まずは、そのままの状態で香りを嗅いでみる。
  3. 次は、葉をこすってみて、香りを嗅いでみる。
  4. 最後に、すりつぶして、 あるいは、揉みほぐして、その香りを嗅いでみる。
  5. 児童・生徒から、それぞれの香りがどう違ったか、どのパターンの時が一番香りが強かったか、などの感想を聞く。
ミント(ミント類)は、葉に多くの香り成分を含むため、葉をスパイス(ハーブ)として使用します。しかし、そのままでは香りが十分に出てきません。香りのもとである香り成分を外に出やすくするためには、こすったり、すりつぶしたり(揉みほぐしたり)することが有効です。2.そのままの状態より、3.こすった状態や、4.すりつぶした(揉みほぐした)状態の方がより香りが強いことが解ります。
ただし、すりつぶすと、葉の青臭い別の香り成分も出てくるため、特徴的なさわやかな香りがしなくなります。

ミント(ミント類)だけではなく、ローリエは葉に切り込みを入れて、山椒の葉は叩いて使った方が、より香りを楽しむことができます。これらの作業は、香り成分を外に出やすくしているのです。
A-3 :スパイスから世界が見える
「2:スパイスの魅力、発見!(その2)」スパイスの使い方の工夫〜【特性d】

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その1 香りとは? 香りを感じる人間の体の仕組み[実験・体験(1)]
スパイスの香りのもとは何? どこにある?[実験・体験(2)]<香り成分のある所(葉の裏)写真>
その2 香り成分の特徴や熱に対する変化について知ろう。<香気成分のチャート>|
参考図書や関連ウェブサイト



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A-4:スパイスのはたらきを科学する 1:スパイスの分類・観察 2:スパイスの‘香り’を探る 3:スパイスの‘辛味’を探る 4:スパイスの‘色づけ’を探る 5:暮らしの中で活かされるスパイスが持つ力!